インド北部のハリヤナ州に、ディズニーランド型の大型テーマパークを建設する構想が浮上しています。すでに約2平方キロの土地が確保されており、同州政府は「世界的な観光拠点になる」と意気込んでいます。もし実現すれば、アジア圏における観光市場の勢力図を塗り替える一大プロジェクトとなるかもしれません。
ハリヤナ州にテーマパーク!政府が土地確保とディズニーと協議中
この報道は、インドの現地メディアによって伝えられたもので、ハリヤナ州のナヤブ・サイニ首相が、アメリカのウォルト・ディズニー社とテーマパーク建設に向けた協議を進めていると公式に言及しています。
場所は州内の都市マネサール。インドの首都ニューデリーに隣接し、空港や高速道路といったインフラも整備されているエリアです。用地として約2平方キロ(東京ドーム約43個分)の広大な土地が確保されており、サイニ首相は「完璧な立地」と断言しています。
そもそもハリヤナ州とは?アクセスもよく産業も発展中

ハリヤナ州は、インド北部に位置し、首都ニューデリーのすぐ隣に広がる人口約2,800万人の州です。経済的にも成長著しく、特にグルグラム(旧グルガオン)エリアには多国籍企業が集まり、IT・製造業のハブとなっています。
マネサールもこのグルグラム近郊に位置し、交通アクセスの良さや開発余地の広さから、今回のテーマパーク構想の候補地として白羽の矢が立った形です。
ディズニーランド級施設がインドに?パリ・東京と並ぶ可能性も
世界中で展開されているディズニーパークですが、アジアではすでに東京、香港、上海に展開済み。インドへの進出は今回が初めての報道です。
若年層が多く、映画文化も根付いているインド市場は、ディズニーにとっても将来的に魅力的なターゲット市場といえます。
ただし、ウォルト・ディズニー社からの正式発表はまだ出ておらず、「ディズニーブランドの使用を想定した独自運営施設」などの可能性も考えられます。
ちなみに広さはパリにすぐ世界3番目になる予定です。
世界のディズニーパークとインド構想の面積比較ランキング(概算)
ランク | パーク名 | 面積(㎡) | 備考 |
---|---|---|---|
1位 | フロリダ ウォルト・ディズニー・ワールド | 約122,000,000㎡ | 圧倒的最大規模 |
2位 | ディズニーランド・パリ | 約22,300,000㎡ | リゾート全体 |
3位 | インド(ハリヤナ州・構想) | 約2,000,000㎡ | 構想段階 |
4位 | 上海ディズニーランド | 約910,000㎡ | |
5位 | 東京ディズニーリゾート(ランド+シー) | 約1,000,000㎡ | 2パーク合計 |
6位 | カリフォルニア ディズニーランド | 約730,000㎡ | 発祥地 |
現地の課題と期待:酷暑と大気汚染が最大のネック
計画の実現には複数の課題も立ちはだかっています。
ハリヤナ州を含む北インドは、毎年4月〜6月にかけて40℃を超える猛暑が続き、さらに冬季(11月〜2月)にはPM2.5による深刻な大気汚染にも悩まされています。
テーマパークといえば長時間の屋外滞在や順番待ちがつきもの。インドの環境下では、熱中症や呼吸器リスクといった健康面への配慮が不可欠です。
また、宗教行事やイベントなどで人が密集するインドでは、過去にも群衆事故が頻発しており、「混雑対策」や「安全管理」も重大な検討事項となるでしょう。
州政府の狙いと地元の期待:観光と雇用の新たな柱に
ハリヤナ州政府は、このテーマパーク構想に大きな期待を寄せています。
「パリやカリフォルニアに並ぶ世界的観光地にしたい」と夢を語り、観光誘致、投資誘発、雇用創出といった経済効果に期待を寄せています。
地元の若者たちにとっては、テーマパーク関連の雇用が生まれることもあり、「夢のある雇用の創出」として好意的に受け止められているようです。
ディズニーは本当に来るのか?実現のカギはブランド戦略とインフラ整備
今回の構想にディズニーがどのように関与するのか、現段階ではまだ確定情報がありません。
ライセンス契約による運営や、別企業による「ディズニー風」施設の可能性もあります。
成功の鍵を握るのは、気候対策・安全対策・インフラ整備などを含めたトータルなプロジェクトマネジメントです。
インドにゆかりのあるディズニー作品3選
アラジン – ジャスミン王女の宮殿とタージ・マハル
- 作品情報: 『アラジン』は架空の都市アグラバーを舞台にした物語。
- インド要素: ジャスミン王女の宮殿は、インド・アーグラに実在する「タージ・マハル」がモデルと言われています。
- 文化的特徴:
- 白大理石の建築美
- アラベスク模様や繊細な透かし彫り装飾
- 解説: タージ・マハルの神秘的で壮麗な雰囲気が、宮殿デザインに色濃く反映されており、アラジンの幻想的な世界観を形成する要素となっています。
ジャングル・ブック – インドの密林が舞台
- 作品情報: ラドヤード・キップリング原作、インドのジャングルが舞台。
- あらすじ: 人間の子ども「モーグリ」がオオカミに育てられ、黒ヒョウのバギーラ、クマのバルーと旅をする冒険物語。
- インド要素:
- トラの「シア・カーン」、ヘビの「カー」、ゾウの軍隊など、インド固有の動物たち。
- 熱帯雨林や密林の風景、インド的な信仰・自然観。
- 解説: 自然との共存や生きる知恵、動物との絆が描かれており、インドの野性と叡智が作品の核となっています。
ラーヤと龍の王国 – インド文化と精神が生きる架空世界
- 作品情報: 架空の世界「クマンドラ」が舞台の2021年公開映画。
- インド要素:
- クマンドラの一部の国々は、インドの自然や民族文化、信仰から着想を得ているとされます。
- 衣装、建築、戦闘スタイル、料理にアジア南部の影響あり。
- 解説: 多様な文化が共存する設定が、インド亜大陸の多民族国家としての側面と共鳴。神話や信頼を重んじる精神性も、インド的要素のひとつです。
ディズニー作品には、インドの建築、自然、文化、精神性からインスパイアされた要素が多数登場します。こうした表現は、観る人にインドの奥深さと多様な魅力を伝える力を持ち、グローバルな価値観とファンタジーを融合した世界観の基盤となっています。
【まとめ】インドの“夢の国”構想、実現は夢ではないが課題も多い
インド・ハリヤナ州で進行中のディズニーランド型テーマパーク計画は、スケールの大きさと市場のポテンシャルにおいて非常に注目すべきプロジェクトです。
一方で、環境問題や安全対策といった課題も多く、実現には多方面での調整が必要となるでしょう。
もしこの「夢の国」が本当にインドに誕生すれば、世界のディズニーパークに新たな1ページが加わることになります。続報が待たれます。
コメント